~2/2 読書会開催記録~
読書会に来られる方は、サラリーマン、フリーランス、学生、フリーターなど多岐にわたりますが、共通しているのは、それぞれみなさん自分の「軸」を持った方が多く参加して頂いているかなと思います。みなさんただ漫然と毎日を過ごすのではなく、日々常に人から学ぼうとするといった姿勢が当たり前になっていらっしゃいます。本を読んで上辺だけの知識をひけらかす人もたまにいらっしゃいますが、彼らは知識を得た上で実践を繰り返してきたという「経験」が話し方や振る舞いからも分かります。そういった方とは話すだけで得るものが大きいので、ぜひとも読書会に来てほしいなーと思いますね。
この日紹介された本のダイジェストに移ります!!📚
1.人口減少社会のデザイン 著: 広井良典
日々、ニュースでは「日本は少子高齢化になっている!」と騒がれています。確かに2019年の日本人の国内出生数は、過去最低だった一昨年2018年の91万8000人を下回り、前年比5.92%減の86万4000人となり、1899年に統計を開始して以来初めて90万人を下回るという異常事態に突入しています。国立社会保障・人口問題研究所の将来の日本の人口統計予想のデータと比べると、人口減少ペースは2年も早まっているらしいです。
ただ、実際国民の何割が「少子高齢化」について本質的に理解し、どのくらいマズイことなのか?あるいはどこが問題でどこが問題でないのか?をきちんと理解しているのでしょうか?日々、ニュースで騒がれている内容しか私たちには基本情報がありません。本書のような本は、そういった問題を知る上の「参考書」として使えます。もちろん全面的に肯定できる内容ではないかもしれませんが、少なくとも何も調べたり考えたりしない人に比べれば一歩先んでることができると思います。こういった積み重ねが、社会の中で「得をする人」と「損をする人」との差につながっていくんじゃないかなと思います。
まず前提として、日本政府は少子高齢化社会に対して2025年までに、「希望出生率」を1.8にすることを目標にしています。実際政府広報等でも示している数字のはずなんですが、実現できる見込みはほとんどないみたいです。人口問題について言えば、日本は既に「手遅れ」の段階まで来てしまい、もはや人口を回復する現実的な手段は残されていません。
「前にならえ」「スタートラインはみな一緒」の昭和、その後高度経済成長を経たあとの、「失われた30年」の平成。ここまで下がったら今度は上がるだろう・・・と考える人も多い中、ついに今後も落ち続ける「人口減少社会」の令和が始まりました。高度成長期に体験した「終わらない拡大・成長」という成功体験の幻想を今も追い続けています。このような最悪のイメージから始まらざるをえない令和最大のテーマが「人口減少社会のデザイン」であり、今の日本に求められるのは、将来ビジョンとその選択に関する議論と決断だと言っています。
本書では主に以下のテーマについて論じたうえで、日本の人口減少問題に対する議論を深めていきます。
将来世代への借金のツケ回しを解消するための消費税増税、多極集中社会の実現とヨーロッパ型の「歩いて楽しめる」まちづくり、都市と農村の持続可能な相互依存を実現する様々な再分配システムの導入などなど
ここで注目されているテーマの一つが、「都市集中か地方分散か」という選択が、日本の少子高齢化社会にとって重要なキーポイントになるということです。。「都市集中型」では、人口の都市への一極集中が進行し、地方はそれに伴い衰退していく。出生率の低下および格差の拡大が進行し、健康寿命や幸福感など個人単位の充実感は低下します。しかし一方で政府支出の都市への集中により政府の財政は潤うことになるようです。
これに対して、「地方分散型」では、地方へ人口分散が起こることによって出生率が持ち直して格差が縮小し、前述の個人単位の充実度は増大する。その一方、政府の財政は悪化する。つまり、人口や地域の持続可能性、あるいは個人の幸福度といった観点からは、地方分散型が望ましいという結論になります。しかしただ単純な日本のuターン就職の奨励などに代表される地方創生改革とは全く違ったアプローチが必要になるといいます。ドイツの地方都市に見られるような、歩いて楽しめる「人間の顔をしたスマートシティ」がそのポイントです。興味のある方は調べてみて下さい。
2.動物農場
写真を見て頂くと分かりますが、凄く薄い本です。紹介者の方も30分で読めるとおっしゃっていました(笑)
作者、ジョージ・オーウェルの小説の多くは皮肉や風刺が多いのだそうです。この作品は、ある歴史上の人物を、動物を用いて皮肉っているそうです。
この作品の中には、2匹のぶたが登場してきます。このぶたが、ソビエト連邦時代のスターリンとトロツキーを表しているそうです。物語の中でこのぶたは、スターリンのやったことと同じようなことをします。要は、指導者になって、自分に反対する分子をひたすら排除していったり、自分の統制が取りやすい組織を作り上げようとしたり・・・そういったスターリンの行為を批判的に描いているわけです。もちろん、歴史上のスターリンを知らなくても楽しめる中身になっているそうです。その他にも、支配者であるぶたのことを絶対だと思い、ひたすら労働する馬、頭は空っぽで、おしゃれが大好きな犬、同じことを繰り返して話しているだけで何も動き出さないだけのひつじ・・・などなど、正直日本の会社の組織にもこれのどっかに当てはまる人もいるなーとか思います(笑)。
海外文学らしいウィットと痛烈な皮肉、また深みが魅力の本だそうです!
3.知的野蛮人になるための本棚 著:佐藤優
著者の名前をネットや広告で見たことのある人も多いかもしれません。最近ですと、あの池上彰さんとの共著、「僕らが毎日やっている最強の読み方」がベストセラーとなるほどの読書家で知られる佐藤優さんの文庫本です。同じく過去にベストセラーとなっていた著書「読書の技法」にも書かれていましたが、「月平均300冊、多い月は500冊以上に目を通す」そうです。タイトルのとおり「知的野蛮人」である彼が57個の重要テーマについて本物の教養が身に着く必読の本を二冊ずつ紹介しているのが本書です。
その紹介する本を選ぶ上での基準が、本書を読んだ方が紹介した本を実際に買っても、「つまらない。カネを返せ」というクレームがこないようにするだそうです(笑)
57×2=114冊の本の紹介が300ページの文庫本に凝縮されている。テーマは政治、国際からエンタメ系まで多岐に渡るので、ご自身の興味のある分野のオススメ本を確認してみたり、逆に全く興味のなかった分野でも興味関心をもつきっかけにもなるかなと思います。
いかがでしたでしょうか??
休日をダラダラ無駄に過ごすのではなく、毎日何かしら学ぼうとする意欲を持った同世代の方をお待ちしてます!(笑)。ぜひ一度遊びに来てください!